ついに長い正月休みが終わって会社の業務が始まったかと思えば、すでに二週目も週末。明日からは大学入学共通テストと、つい先日までののんびりとした雰囲気が嘘の様に、街ではあわただしい日々が続きます。弊社「fukuroyasan.jp」尾崎紙工所でも、この時期は春節でもうすぐ止まってしまう中国工場への見積もり依頼や、3月末〜4月頭に納品するためのギリギリのデータ送付等、いきなりフルアクセルな毎日が続いています。
さて、今回はそんな時期だからこそ、あえて時間を捻出してでも考えるべき希望の仕様と予算のバランスの話。
例えば同じサイズ、同じ数量の不織布バッグでも、角底と舟底などの形状はもちろん、細かい仕様の違い、例えば印刷(1色印刷としても、片面1色にするのか両面同柄1色か、さらには両面別柄やマチ部分へも印刷するのかなど)や、内外のポケットやプラホックの有無、持ち手(一般的な持ち手長さにするかショルダー長さにするか、また本体と同じ生地か色違いにするか)などによってそれぞれ価格が変わるのはご理解頂けるかと思います。
比較的構造が単純なワイングラスホルダーやお猪口ホルダーなどのグラスホルダー類でも、サイズだけでなくサブのポケットの有無、印刷の色数などによって価格は変わりますし、基本の仕様(不織布製の底マチ袋)から形状を角底に変えたり、素材をコットン生地に変更したりすれば、価格はどうしても上がってしまいます。
わかりやすい例で言うと、これら2種類の甚吉袋をご覧下さい。
※ちなみに甚吉袋とは、かつては日本酒や醤油の瓶を持ち運ぶために使われていた丈夫なバッグのことです。
一見同じ様な製品(コットン製の舟底バッグで、縒った紐をハトメをつけた穴に通して絞りと持ち手にする)に見えますが、細部の違いで単価は大きく変わります。例えば持ち手紐でも紺色生地の方はアクリル製のツイストロープですが、生成り色生地の方はコットンのロープ。底部分も紺色生地は一般的な舟底そのままですが、生成り色生地は別布にしてベルポーレンの底板やプラスチックの足もついています。
持ち手にする部分の当て皮など細かい部分にも手を加える事で、生成り色生地の甚吉袋の製作時の単価は製作当時の500枚単価で約1,000円、紺色生地は同じく500枚単価が約700円と、1.5倍近い差になりました。元々弊社の作るバッグの中でも単価の高い甚吉袋ですが、この差額で、普段製作させていただいている一般的な不織布手提げ袋が複数枚作れます。
これはつまり、逆にいえばいろいろな仕様を簡素化する事で最大3割くらいは製品単価を下げられる可能性があるという事でもあります。しっかりと予算があるのなら、もちろんフル装備での製作が望ましいのでしょう。でもほとんどの場合は、限られた予算の使い道をどこに重点を置いて配置するか、やりたい事を実現するために何をあきらめるかが重要になってくるのではないでしょうか。
その『どうしてもここだけは』をキープした製品から、しっかりとお金をかけた製品まで、お客様のご希望を形にするため、今年も「fukuroyasan.jp」尾崎紙工所は精一杯努力させて頂きます。「こんな風に使えるものを」や「これができれば良いのでなるべく安い単価で」等、お気軽にお問い合わせ下さい。本年もよろしくお願い致します。
おまけ
この正月、帰省土産に生まれて初めて『大間のまぐろ』を購入しました。
帰省前日の12/30午前中に届いたまぐろは、もちろんカチカチの冷凍状態。解凍のやり方で味が変わると聞いていたので、荷物と一緒に届けられた手引き通りドキドキしながら解凍し、無事実家で親と楽しむことができました。
驚いたのが、購入した大トロ・中トロ・赤身の中で、一番味のバランスが良かったのが大トロだった事。購入の際は「大トロなんて脂ばっかりなんだから中トロと赤身のセットでいいのでは?」と言っていた人が一番にそれを口にして「さすが」となった年末でした。
切り身の画像?
酒の席でそんなもの撮る暇ありませんよね。