年末の繁忙期も真っ盛り。通常なら1〜1.5ヶ月で製作可能な手提げ紙袋やフレキソ印刷の紙袋、ポリ袋などだけでなく、下げ札や封筒など、国内製作の製品のいずれも納期が延びてしまう時期。また中国製作の製品についても、現地の春節(旧正月)休業にかかってしまうので、こちらも通常2〜2.5ヶ月の納期がどうしても延びてしまう時期です。
以前も同じ時期に『年末の繁忙期に入っていますのでご注意ください』や、『納期で困った時には○○で』といった記事を書いてきましたが、この時期はお客様と工場の間で、詫びを入れたり泣きを入れたり、またなだめたりゴネたりと、毎年てんやわんやの日々になります。
そんな急ぎの必要に不向きな時期に頼りになるのが名入れ可能な既製品の各種製品。
以前の『名入れ可能な既製品について』では、主に不織布バッグやポリ袋系の既製品への名入れについて書き、先日には『既製品紙袋に箔押しする際の注意点』で、既製品の紙袋に箔押しする際のポイントを紹介させて頂きました。
そこで今回は、既製品の紙袋に箔押しでなくシルクスクリーン印刷などで名入れする際の注意点をいくつかご紹介したいと思います。
まず一番に注意しなければならないのは、紙に色がついた紙袋への印刷。既製品の手提げ紙袋には、白い紙袋以外にも未晒クラフトの茶色の製品や、ベタ印刷で赤や青色になったものが多数あります。それらへの印刷を考える場合、本体よりも薄い色での名入れは、特に狙いがない限りは避けた方が良いでしょう。『紙袋の未晒クラフトへ印刷する時の注意点!』や、『ポリ袋への印刷の話(その2:着色生地編)』でも書いたように、本体の色に印刷色が影響を受け、指定した色と違った印刷になってしまいます。色がついた紙袋に名入れ印刷する際には、なるべく濃い色での印刷をお勧めします。
それでは、色がはっきりと出る箔押しに比べて、印刷のメリットは何? と考えた方も少なくないと思われますが、それは色の豊富さと印刷の自由度。
箔押しには金や銀がくっきりと表現できるというメリットはありますが、箔そのものの色のバリエーションは、決して多くはありません。それに比べれば、シルクスクリーンはDICやPANTONEなどの特色に限られはしますが、箔と比較すると無限といっても良いほどの色の種類があります。企業やブランドのコーポレートカラーがあり、それを印刷に使いたいという場合には、箔押しでは難しいでしょうが、シルクスクリーン印刷なら可能です。
もう一点、金属製の印鑑のような版を作り、それで圧力をかけて袋に密着させる箔押しと違い、シルクスクリーン印刷の場合は、それほどの圧力が要らないので、例えば先述の箔押しの記事で問題になっていた、紙袋側面から内側に織り込むマチの段差についても、厚紙を袋の内部に差し込んで段差が表に出ないようにするなどして印刷の乱れを避けることが可能です。つまり箔押しに比べて印刷可能範囲が大きく、そのため印刷の自由度が高いのです。
既製品紙袋への名入れの際には、これらそれぞれの長所短所を考慮に入れ、時には箔押しと印刷双方を使うなどして、オリジナルデザインで他とは違った既製品紙袋を生み出して下さい。
弊社「fukuroyasan.jp」尾崎紙工所も最大限お手伝いさせて頂きますので、お気軽にお見積もりのご依頼やお問い合わせをお願いします。
おまけ
先週末に紅葉を見に行ったのですが、紅葉も天候も今一つ、今週末リベンジで再訪する時には天気が良いといいのですが。紅葉には晴天が似合うと思うのですがいかがでしょう?